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参考 総合的港湾管理者と家主的港湾管理者
港湾における経営の効率化を実現する手段を整理するにあたって、港湾の「管理」、「運営」を便宜的に次のように定義して、以降の議論の前提としたい。
「管理」:港湾管理者が自ら所有する、あるいはその支配下にある港湾施設を保全し、適切に機能させること
「運営」:荷役サービス、港湾サービス(タグ、パイロット、電気・ガスの供給など)のサービスを提供すること
(1) 公的団体(国、地方公共団体)が「管理」および「運営」の全手を司るタイプ
・フランス、スペインなどの地中海側の国々にその面影が見られるタイプ
・また、開発途上国において従来多く見られたタイプ
・公的機関が自ら「運営」までを行うので、非効率になる可能性が懸念される
→財政構造(総合的港湾管理者型)のイメージ図:参考
(2) 公的団体は「管理者」として港湾を所有するが、多くの施設を民間に貸付けて地主として振る舞い「運営」は民間に任せるタイプ
・貸付けの程度に差があるものの日本及びヨーロッパ(特にドイツ、オランダ、ベルギー)において見られるタイプ
・競争しなければならない近隣他港が、地理的条件、地形的条件などに恵まれた「天然の良港」で効率的に「運営」されている場合には、公的部門の何らかの支援がなければ競争に打勝つことができない
→財政構造(家主(Landlord)型)のイメージ図:参考
・円グラフの外側が収入、内側が支出を表わしている。
・このタイプの特徴は、岸壁用地造成などの収益施設は港湾管理者の負担によって整備されていること。
・また、別の特徴は、ステベドアリングなどのカーゴハンドリングのサービス、パイロットやタグなどの各種港湾サービスについては、港湾管理者及び外部(民間事業者)の混合(競争)状態で提供していることである。
・各種港湾サービスの多くを港湾管理者が自ら提供する場合は、「総合的港湾

 

 

 

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